マカオほどドラマティックな歴史を持つ国は世界にもそう多くないだろう。
他国からの介入や時代の流れに翻弄されながらも、この国の人々はしなやかな生き方と強い信念で逆境に立ち向かってきた。2019年12月に、その信念は特別行政区20周年という形で結実を迎えた。20周年という節目にあたり、我々はマカオのランドマークとしても名高い、聖ヨセフ修道院に投影する一つの作品を制作した。イエズス会によって建設され、アジアでの宣教活動の拠点となったこのバロック建築は、複雑で美しい構造と多様性を特徴とする。そしてそれはまた、マカオの辿ってきた歴史や文化にも通ずるところがあるのではないだろうか。
今回、この作品には20本のLEDポールとレーザーを使用し、また混沌とした中にも調和が生まれているこの美しい聖堂の建築様式に倣って、一部にはあえて予測不能な実験的シーンを取り入れている。そこに生まれる混乱と調和は、今日に至るマカオの姿を彷彿とさせ、ひとつのまとまりとなった今日のマカオの像を描き出す。この国がこれからも未来に向かって発展し続けていくことを、我々のささやかな挑戦を捧げて願う次第である。



