CGや映像を作る為にはMacとPCどちらが良い?
28.10.15
After Effects / Cinema 4D / How to
こんにちはFLIGHTGRAFです。
最近よくCinema 4DやAfter Effectsを始めたいという学生さんから、どちらを買った方が良いか質問を受けるので、ここにできるだけ簡単に、分りやすく書いておこうと思います。まず単刀直入に申し上げますと、現行(2015/10/28日現在)ですと、PCの1択で、かつラップトップではなく、組み立てられるデスクトップが良いです。そして更にそのPCには『NVIDIA』というメーカーのGPU(グラフィックカード)を搭載しているかどうかという事が重要になってきます。有名なAdobeや、その他CGソフトのほぼ全てがNVIDIAをサポートしているという事をまず頭に入れておきましょう。そんなことを言うと、『Macでは映像ソフトが使えないの!?』なんて思うかもしれませんが、もちろん使えます。『使える』というだけで、実用かと言われると『?』になります。
【必要最低構成】
Processor(CPU):Intel Core i5以上
Graphics(GPU):NVIDIA社製
Memory:16G以上
Storage:SSDは高くて高速。HDDは安いけど低速。映像業界では1プロジェクト100Gとか当たり前に行くので、本体をSSDにして、外付けHDDを利用するのがベストです。
それ以外は最近微差なので、気に入った物で良いと思います。
それでもMacっぽいかっこいいのが欲しい!という外見だけでMacが欲しい人には残念な内容かもしれないですが、『Razer Blade』のラップトップがほぼ 黒いMac Book Proなので、それで良いと思います。
Razer Blade:http://www.razerzone.com/gaming-systems/razer-blade
【以下なぜPC1択なのか?というタワゴト。読みたい人だけ読んで下さい】
グラフィックやデザイン業界はやっぱりMacですよね!事務作業はWindowsというイメージがありますが、、なんてよく耳にするのですが、以前はそうだったかもしれません。ですが、最近は事情も変わってきており、少し違うんです。
Appleは2015年より全てのグラフィックカードを『AMD』という会社の物に切り替え、画像処理方式に『CUDA』ではなく、『OpenCL』を採用しました。これにより、多くの映像ツールが100%以上の力を発揮する事ができなくなっています。恐らく全てをできるだけ自社開発している物に切り替えたいという思いもあるんだと思います。
さて、Appleが『OpenCL』を採用したことにより、何が変わったのかというと、実は多くの映像/デザインツールが『NVIDIA』が提供する『CUDA』を採用しており、『AMD』が提供する『OpenCL』を採用していないという事実があります。これはとても重要な事で、この事が実際の作業スピードに直に影響してきます。例えば、CG業界で有名なVrayというレンダリングソフトもCUDAをサポートしており、それ以外の環境ではあまり効果を発揮してくれません。また、Adobeで有名な映像ソフトAfter EffectsもGPU高速処理にはCUDAしかサポートしておらず、プレビュー速度等に影響してきます。
ではCUDAが使えないとどうなるのか。Macの場合はCUDAが使えないので、仕方なくProcessor(CPU)やMemoryを使って描画したり、計算したりします。ですが、作業時間ベースで言えばCUDAには到底かなう様なスピードではありません。分りやすい例としてCinama4Dで有名なプラグインのTurbulenceFDがCPUとGPUで計算している比較テストのリンクを貼ります。
TurbulenceFD CPU vs. GPU – Fluid Simulation:https://vimeo.com/34888727
ご覧の通り、速度ベースでだいぶ違いが出ている事に気がつくと思います。これは全てのCUDAをサポートするソフトウエアにおいても言えるので、始めにCUDAを採用しているPC1択だと言った事を少しはご理解いただけましたでしょうか?
【CGを始めるならCPUも重要!!】
これまで、NVIDIAのCUDAが大切!とづらづら書きましたが、CGを始めるならProcessor(CPU)も重要になってきます。というのも、今私たちが見ているこの画面の画像処理にはGPUが使われています。ですが、3DCGを画像計算するレンダリングという作業ではほとんどCPUしか使われません。ですので、CPUのコア数や処理速度(GHz)がとても重要な要素になってきます。例えば、僕のつくるプロジェクションマッピング映像で30秒の物では、計算が軽くなる様に工夫しても計算開始から終了まで1〜2日かかります(8K映像 3Ghz 8core Xeon 1機で計算)。どこかの知恵袋でMac Book Airで十分だ!などと書いている方がいらっしゃいましたが、恐らく実用ベースでは無く、あくまで趣味ベースでの見解だと思いますので、決してお勧めしません。
【CPUがそれほど重要ではない場合も】
実はそれほど重要にならないケースもあります。例えば、FurryballやOctane RenderはGPUを利用したレンダリングソフトウエアなので、レンダリングをGPUに頼るならこういった方法もあるという事も頭に入れておいて下さい。ですがその場合はさんざん申し上げている様に『NVIDIA』のGPU(グラフィックカード)を搭載しているかどうかという事が重要になってきますので、購入の際は注意が必要です。
※FurryballはwinOSのみ。Octane RenderはAMDのサポートも始めましたが、まだ使ってないので分りません。
以上にあげた様に、Macでは不利な事が多く、現状映像で得する事と言えば映像コーデックのApple ProResが、なんか良いかなーぐらいです。かく言う僕は Mac Pro 2013 ユーザーなのですが、もちろんWinも使ってます。Mac Proの方は、アプリケーションの内部ファイルのプログラムをいじったりして騙し騙し使っていますが、あまりお勧めできません。ですので、そろそろMacをNvidiaのグラフィックカードで自作しようと企んでいる所ですが、こんなこと言うとWin買えって言われそうですね。でも不便な方が楽しかったりして。
osx86:http://wiki.osx86project.org/wiki/index.php/Main_Page
tonymacx86:http://wiki.osx86project.org/wiki/index.php/Main_Page
以上、参考にしていただければ嬉しいです。
世界最大規模のプロジェクションマッピングコンテストで2位を獲得しました
22.10.15
2015年9月26日〜10月6日までロシアのモスクワにて開催された「Moscow International festival Circle of Light 2015 “Art Vision Modern Competition” 」においてFLIGHTGRAFが制作したプロジェクションマッピングが2位を獲得しました。
全ての関係者のみなさまに感謝申し上げます。詳細は下記リンクをご参照ください。
SHIKISOKUZEKU – Moscow International Festival 2015 2nd Prize
28.09.15
Experiment / Projection Mapping / Projects
Role
Sound design, concept, art direction , design and animation
Moscow International Festival 2015
“Shikisokuzeku: Form is None Other than Emptiness”
This piece got the second prize in Moscow International Festival of Light Art Vision Contest 2015
I got this idea, digging into the mother-lode of the Buddhism, form is none other than emptiness and emptiness is none other than form, the solidity of our life as we believe as it is is just a fleeting moment of our dream, and yet the dream lets you cry with tears and soar like an eagle in the blue sky.“City of Light” is glaring, but the glare is also carrying the shades of the environs of the people, the weather, and the landscape. In this piece I want to show their hidden connection, weaving a tapestry of Light and Darkness message that the things you are seeing are not the whole.
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『Moscow International Festival of Light Art Vision Contest 2015』において2位を獲得した作品。大会のテーマは『city of light』。都市とは単なる物質の集まりではなく、人とものが集合し関係することによって成り立つ、ひとつの状態である。これは、「すべてのものには実体がなく空無である」とする仏教の根本教理『色即是空』のわかりやすい一例であるとも言える。 この考え方に着想を得て、都市の中に建つ建造物を生き物のように有機的に表現し、目まぐるしく移り変わる都市の姿を描いた。